トンコリ紹介 1

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樺太アイヌの竪琴(たてごと)

 トンコリは樺太(サハリン)に伝えられたアイヌの楽器です。かつて宗谷から網走にかけて「カー」(糸、の意)という名前で行われていたという記録はあるものの、実際に音として伝えられていたのは樺太だけです。しかしその伝承も、1970年代にはトンコリを弾く人がいなくなってしまい、伝承途絶の危機がありました。1990年代には弾き方も音楽も分からなくなった楽器として北海道の一部に残されていました。

 講師の千葉は、1990年に旭川でこの楽器に出会いました。お土産物屋さんの壁に掛けられたこの楽器に気づき、お店の人に「これは何ですか?」と聞くと、「これはトンコリというんだけど、今は弾く人がいなくなって、どんな音がするのかわからないんだよね」との答えでした。美しいフォルムのその楽器にとても心を惹かれ、どんな音がするのか聞いてみたい、と強く思ったのが講師にとってのトンコリのはじまりでした。

蝦夷弾琴図(北大)
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